好きなものはとことん。

宝塚メイン 感想はネタバレ含みますのでご注意ください。

ホラーとサスペンスで非日常を味わう

たまに訪れる映画ブームですが久々にマイベストホラー映画などを改めて見ていたら、ホラー熱が高まってきましたので私の好きなホラー、サスペンス作品について語りたいと思います。

サスペリアサスペリアPART2犬神家の一族は不動ですが、それ以下はなんとなく好きな順番に並べています。(あまり差はありません)

 

サスペリア(1977年)

サスペリアPART2(Profondo Rosso)(1975年)

犬神家の一族(1976年)

ミッドサマー(2019年)

シャイニング(1980年)

シックス・センス(1999年)

エクソシスト(1973年)

ナイトクローラー(2015年)

ペット・セメタリー(1989年)

ヘレディタリー/継承(2018年)

セブン(1995年)

 

 

サスペリア

この映画はホラー映画の中では不動の1位です。

「決してひとりでは見ないでください――」のキャッチコピーで一躍有名になったサスペリア。公開当時はまだ小学生だったのでテレビでCMが流れるたびに恐れおののきながらも興味津々で見ていました。初めて全編見たのはテレビ放送でしたがその時の衝撃は今でも忘れられません。

一人のアメリカ人の少女、スージー・バニヨンはドイツの名門バレエ学校に入学するが、そこでは次々と不可解な事件が起こり、ついに友人のサラも巻き込まれてしまう。サラを助けようと秘密を探るスージーはついにこのバレエ学校の衝撃の真実を知る。

とにかく最初の殺人シーンから衝撃が物凄くてこんなにも恐ろしいのに美しい演出があるのかと初めて見た時は度肝を抜かれました。後にも先にもこのシーンの衝撃を超える殺人シーンには未だ出会ってはいません。

本当にストーリーはシンプルですが、恐怖演出や色彩、神がかった音楽で最後まで見事に引き込まれて見てしまいます。さすがに演出の技術が古いなと思うところはありますが、それでも恐怖は色褪せていません。

嬉しいことにデジタルリマスター版のブルーレイも発売され、あの色彩がより鮮明に美しく映し出されてファン必携のアイテムとなっています。同じシーンの画像で比べてみてもその鮮やかさは一目瞭然。

旧DVD版

HDリマスター版

 

そしてこれを語らずしてサスペリアは語れないと言うくらい有名なのがGOBLINによる映画音楽です。中でもあのテーマソングは美しい旋律の中にも狂気が満ち溢れていて本当に神曲です。

しかし日本版のポスターはなぜ主人公のスージー・バニヨンではなくサラなのか不思議だ・・

余談ですが、このサスペリアが2018年にダリオ・アルジェントと同じイタリア人であるルカ・グァダニーノ監督にリメイクされ公開されましたが正直かなり不安でした。

しかしながらグァダニーノ監督は1977版をとてもリスペクトしているという事を知り、もしかしたら・・と思いつつも映画館まで足を運ぶ勇気は無く、かと言ってブルーレイを買う勇気も無くそのままになっていたのですがつい最近アマプラで見られると知り、これはいよいよ見るときが来たのか!と満を持して鑑賞することにしました。

簡潔に言いますと1本の新作映画という観点から見たらとても面白かったと思うのですが、サスペリアのリメイクという点においては・・・・ワタクシ的には・・無しかな。出演されていた俳優の方々の熱演がとても素晴らしかっただけに何か違うタイトルで発表した方が良かったのでは、と思いました。

やはりサスペリアはあの演出、ストーリー展開、色彩、音楽をもって完璧な作品として成り立っているものだと思っているので、好きすぎる故、なんだか冒涜されたようなとても残念な気持ちになってしまいました。まぁ、もう45年も前の作品ですのでファンとしては無理にリメイクせずそっとしておいて欲しかったです・・

ただ一つ、とても良かったのは1977版で主役を務めたジェシカ・ハーパーが出演していたこと。お年を召しても可愛らしくて、これには感動しました!

 


サスペリアPART2

こちらももちろんダリオ・アルジェント監督の作品ですが、この作品原題はProfondo Rosso(紅い深淵)で、実はサスペリアより前の1975年に制作されています。日本でサスペリアが大ヒットしたのを機にProfondo Rosso(紅い深淵)がその名にあやかりサスペリアPART2として日本で公開される事になったそうです。よってサスペリアサスペリアPART2はなんの繋がりもありません。

アメリカ人ピアニストのマークは、テレパシー能力を持つヘルガ・ウルマンが何者かに殺されるのを偶然目撃し現場に駆けつけるが犯人は逃げた後だった。その後現場で警察から事情を聞かれていると新聞記者のジャンナがやってきてマークは写真を撮られてしまう。その写真が事件の目撃者として新聞に掲載されたことでマークは犯人から執拗に狙われてしまうが、どうしても殺人現場で見た何かが心に引っ掛かり続け、ジャンナとともに危険を顧みず事件の真相を追っていく。

この作品はサスペンスなんですが、いきなり冒頭から子供の歌をBGMに殺人が起こる不気味なシーンから始まります。そしてストーリーの鍵となる視覚トリックがある部分に使われていて最後まで見終わった後、必ずもう一度始めから見たくなる作品です。サスペンス要素はもちろんですが、主人公マークと女性新聞記者ジャンナのやり取りや時代背景などもとても面白いですし、度々登場するトリノサンカルロ広場近くのロケーションも美しいけど恐ろしいようななんとも言えない雰囲気がとても好きです。音楽はこちらもGOBLINの曲でメインテーマがこれまた印象的な美しい旋律の曲です。

トリノC.L.N広場

明るいとかなり印象が変わります。Barはセットだったんですね、いつか行ってみたいです。

ストーリー的にはProfondo Rosso、世界観や演出はサスペリアの方が好きなのでどちらも甲乙つけ難いですが、総合的に見ると私はサスペリアのほうが好きです。

この作品で主人公マークに好意を寄せる新聞記者のジャンナを演じたのがダリア・ニコロディで、ダリオ・アルジェントの公私共にわたるパートナーで、サスペリアを企画し脚本も共同執筆していました。当初サスペリアにも出演予定だったそうですが、怪我により冒頭の空港シーンへのカメオ出演のみとなりました。残念なことに2020年に亡くなられています。

サスペリア冒頭空港のシーン。画面向かって右端の赤いスーツがダリア・ニコロディ

 

 

犬神家の一族

言わずと知れたミステリー作家の大御所、横溝正史の同名原作小説を1976年に市川崑監督が映画化した作品です。その後幾度となくドラマになったり2006年には同じ市川崑監督によるセルフリメイクも話題になりましたが(もちろん映画館へ見に行きました)、やはりこの1976年版には到底及ばなかったです。これも初めて見たのは小学生の時にテレビでOAされていた時だと記憶しています。母親とおっかなびっくり見ていた記憶があります。

横溝正史独特の代々続く古い家柄に絡む愛憎劇はただ怖いだけではなく犯人の愛故の悲しみや怒りが描かれていて、その中で緻密に考えられたあっと驚く殺人トリックや古い日本家屋がまた恐怖の演出に拍車をかけて本当に素晴らしく、大好きな作品です。

そして大野雄二さんのテーマ曲「愛のバラード」は名曲です!

横溝正史作品は映像化されたものが数多くありますが、他では悪魔の手毬唄や獄門島なども大好きな作品です。

 

 

<ミッドサマー>

ミッドサマーについては以前の記事で熱く語っておりますのでよろしければご覧下さい。

aoi-luvluv.hatenablog.com

 


<シャイニング>

スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の作品です。このジャック・ニコルソンのポスターはあまりにも有名ですね。

冬の間閉鎖される曰く付きホテルの管理人を任されたトランス一家だったが、息子のダニーはシャイニングという特殊能力を持っていたためホテル内で度々超常現象を目撃する。次第に一家の主であるジャックがホテルに住み着いた悪霊に取り憑かれ最後には家族までもを襲ってしまう。

今ではすっかりホラーアイコンとなった双子ちゃん

好きな理由はサスペリアと似ていて、物語の世界観や演出、オーバールックホテルの内装がとても魅力的なところです。そしてジャック・ニコルソンをはじめ、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイドと役者も素晴らしかったです。母親役のシェリーが恐怖におののく表情は本当に怖かった・・

ホテルの内装がいちいちオシャレでカッコ良い!

ダニーが乗る三輪車のシーンは最高

ただ、原作者のスティーヴン・キングはあまりにも小説と乖離した内容だったため強烈に批判していたらしいです。私は原作は未読なのでよくわかりませんが・・

そしてホテルの内館外観共に、本物ではなくセットだというのにはとても驚きでした。内館はヨセミテ国立公園内にあるマジェスティックヨセミテ・ホテルを参考にしているそうなのですが、本物のホテルだったら一度宿泊してみたかったです。ちなみに参考になったマジェスティックヨセミテ・ホテルは高級でなかなかのお値段だそうで( ˘ω˘ ; )

2019年には続編としてシャイニングの40年後の世界を描いたスティーヴン・キング原作のドクター・スリープが公開されました。

大人になったダンはアルコール中毒によりその能力が抑えられていたが、あることをきっかけにまたシャイニングを使い、超能力を持った子供の生気を吸い取り生きながらえるヴァンパイア集団からひとりの少女を救うために戦い、自分に取り憑いたオーバールックホテルの亡霊を封印しようとする。

色々なジャンルの要素が盛りだくさんでとても面白かったです。こちらもおすすめです。

 

 

シックス・センス

シックス・センスは小児精神科医のマルコムが霊が見える少年コールと交流していくストーリーで、一見ホラーやオカルトのように見えますが実はとてもハートフルなお話です。(と言っても霊の描写ではホラー苦手な方はドッキリしてしまうかもしれませんが)

全体のストーリーはもちろん、霊が見えることを打ち明けられず母親とすれ違っていくコールやラストのあっと驚く結末など本当に良く出来ているストーリーだなと思います。コールと母親の和解のシーンなどは何度見ても泣いてしまいます。゚(´つω•`。)゚。
ホラーなのに泣ける不思議な映画で、ホラー好きな人以外にもとてもおすすめできる作品です。

 

 

エクソシスト

この映画はホラー(オカルト)映画を語る上で外せない作品ですね。

女優のクリスは娘のリーガンとジョージタウンで暮らしていたが、ある日を境にリーガンに異変が起きる。医者で検査をしても何も異常は見つからなかったが、リーガンの異常行動はさらにエスカレートしていき、クリスはリーガンが悪魔に取り憑かれたと確信し、カラス神父に悪魔祓いを依頼する。

私は小学生の時にテレビでOAされていたのを初めて見て(テレビで放送されていたのが今では信じられませんが)恐ろしいながらもそのストーリー展開と演出に釘付けでした。後にディレクターズ・カット版も発売され、スパイダーウォークなども話題になりましたが私はオリジナルのほうが好きです。この作品もテーマソングが美しい旋律でとても印象的です。

 

 

ナイトクローラー

ジェイク・ギレンホールが好きだったので見た作品なのですが、これがもう大当たりでめちゃくちゃ面白かったです。ジャンルは犯罪サスペンスといったところでしょうか。

ケチな窃盗で日々を過ごしていたルイスはたまたま遭遇した交通事故現場で、いち早く到着しその現場を撮影してテレビ局に売り込むフリーランスのカメラマンを目撃する。それに触発されたルイスは自分も安い機材を揃え事件現場を撮影し、ローカル局に売り込みにいく。するとニナというディレクターから評価を受け、もっと映像を持ってくるように言われると次々と現場を撮影していく。貧しい青年を言葉巧みに安い給料で助手として雇い、良い映像を撮るためには非常識な行動も厭わずその行動はどんどんエスカレートしていく。

良い映像を撮るためなら何でもするルイスは最初から最後まで本当にクズっぷりが凄くて良心の欠片も無かったです。それを演じたジェイクがとにかくお見事で、ストーリーが進むにつれて目つきが爛々としてヤバい感じが最高でした。(ジェイクファンは必見です!)

 

 

<ペット・セメタリー>

スティーヴン・キング原作で1989年に映画化されました。括りとしてはオカルトになるのですが、その内容は恐ろしいというより悲しいです。

若い医者であるルイスは田舎町にマイホームを購入し、妻娘息子、愛猫と暮らしていたが、ある日愛猫のチャーチルがトラックに跳ねられて死んでしまう。娘が悲しむと思いルイスはひっそりと家の裏山のさらに奥の丘に埋めた。翌日、なんと死んだはずのチャーチルが家に戻ってくるが、それはとても凶暴になっていて明らかに別の何かになっていた。しかし今度は息子のゲージがトラックに跳ねられて亡くなってしまう。近所に住む老人ジャドはチャーチルを埋めた場所にまつわる忌まわしい事実をルイスに教え、もう絶対に埋めてはいけないと釘を刺すが・・・

愛するが故の悲しい結末・・もしも自分が主人公と同じ立場になったら、と考えるととても切ないです。かなり前に見たきりなので久しぶりに見てみようかな。

私は未見ですが、2020年にリメイクもされています。

 


<ヘレディタリー継承>

この作品はミッドサマーを作ったアリ・アスター監督がミッドサマーの前に撮った作品です。

これもなかなかインパクトのある作品で、まさに最初から最後までオカルト一色なのでエクソシストオーメンなどのオカルト映画好きならとてもおすすめ致します。ただかなりグロい表現も多かったのでその辺苦手な方は要注意です。

 


<セブン>

こちらはサイコサスペンス。キリスト教七つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件とそれを追う刑事の話。なのですが、ラストがね・・もう、何とも本当に救いが無い。主人公ミルズ刑事役のブラッド・ピットの演技が物を言うラストシーンでした。

 

 

一口にホラー映画と言っても心理もの、幽霊、殺人鬼など様々ですが、私はここに挙げたようなオカルト寄りな作品がとても好きです。そういう意味では2000年以降私が好きなホラーはアリ・アスター監督作品一択になってますね・・アスター監督の作品には今後もとても期待しているので新作が待ち遠しいです。