好きなものはとことん。

宝塚メイン 感想はネタバレ含みますのでご注意ください。

ホラーとサスペンスで非日常を味わう

たまに訪れる映画ブームですが久々にマイベストホラー映画などを改めて見ていたら、ホラー熱が高まってきましたので私の好きなホラー、サスペンス作品について語りたいと思います。

サスペリアサスペリアPART2犬神家の一族は不動ですが、それ以下はなんとなく好きな順番に並べています。(あまり差はありません)

 

サスペリア(1977年)

サスペリアPART2(Profondo Rosso)(1975年)

犬神家の一族(1976年)

ミッドサマー(2019年)

シャイニング(1980年)

シックス・センス(1999年)

エクソシスト(1973年)

ナイトクローラー(2015年)

ペット・セメタリー(1989年)

ヘレディタリー/継承(2018年)

セブン(1995年)

 

 

サスペリア

この映画はホラー映画の中では不動の1位です。

「決してひとりでは見ないでください――」のキャッチコピーで一躍有名になったサスペリア。公開当時はまだ小学生だったのでテレビでCMが流れるたびに恐れおののきながらも興味津々で見ていました。初めて全編見たのはテレビ放送でしたがその時の衝撃は今でも忘れられません。

一人のアメリカ人の少女、スージー・バニヨンはドイツの名門バレエ学校に入学するが、そこでは次々と不可解な事件が起こり、ついに友人のサラも巻き込まれてしまう。サラを助けようと秘密を探るスージーはついにこのバレエ学校の衝撃の真実を知る。

とにかく最初の殺人シーンから衝撃が物凄くてこんなにも恐ろしいのに美しい演出があるのかと初めて見た時は度肝を抜かれました。後にも先にもこのシーンの衝撃を超える殺人シーンには未だ出会ってはいません。

本当にストーリーはシンプルですが、恐怖演出や色彩、神がかった音楽で最後まで見事に引き込まれて見てしまいます。さすがに演出の技術が古いなと思うところはありますが、それでも恐怖は色褪せていません。

嬉しいことにデジタルリマスター版のブルーレイも発売され、あの色彩がより鮮明に美しく映し出されてファン必携のアイテムとなっています。同じシーンの画像で比べてみてもその鮮やかさは一目瞭然。

旧DVD版

HDリマスター版

 

そしてこれを語らずしてサスペリアは語れないと言うくらい有名なのがGOBLINによる映画音楽です。中でもあのテーマソングは美しい旋律の中にも狂気が満ち溢れていて本当に神曲です。

しかし日本版のポスターはなぜ主人公のスージー・バニヨンではなくサラなのか不思議だ・・

余談ですが、このサスペリアが2018年にダリオ・アルジェントと同じイタリア人であるルカ・グァダニーノ監督にリメイクされ公開されましたが正直かなり不安でした。

しかしながらグァダニーノ監督は1977版をとてもリスペクトしているという事を知り、もしかしたら・・と思いつつも映画館まで足を運ぶ勇気は無く、かと言ってブルーレイを買う勇気も無くそのままになっていたのですがつい最近アマプラで見られると知り、これはいよいよ見るときが来たのか!と満を持して鑑賞することにしました。

簡潔に言いますと1本の新作映画という観点から見たらとても面白かったと思うのですが、サスペリアのリメイクという点においては・・・・ワタクシ的には・・無しかな。出演されていた俳優の方々の熱演がとても素晴らしかっただけに何か違うタイトルで発表した方が良かったのでは、と思いました。

やはりサスペリアはあの演出、ストーリー展開、色彩、音楽をもって完璧な作品として成り立っているものだと思っているので、好きすぎる故、なんだか冒涜されたようなとても残念な気持ちになってしまいました。まぁ、もう45年も前の作品ですのでファンとしては無理にリメイクせずそっとしておいて欲しかったです・・

ただ一つ、とても良かったのは1977版で主役を務めたジェシカ・ハーパーが出演していたこと。お年を召しても可愛らしくて、これには感動しました!

 


サスペリアPART2

こちらももちろんダリオ・アルジェント監督の作品ですが、この作品原題はProfondo Rosso(紅い深淵)で、実はサスペリアより前の1975年に制作されています。日本でサスペリアが大ヒットしたのを機にProfondo Rosso(紅い深淵)がその名にあやかりサスペリアPART2として日本で公開される事になったそうです。よってサスペリアサスペリアPART2はなんの繋がりもありません。

アメリカ人ピアニストのマークは、テレパシー能力を持つヘルガ・ウルマンが何者かに殺されるのを偶然目撃し現場に駆けつけるが犯人は逃げた後だった。その後現場で警察から事情を聞かれていると新聞記者のジャンナがやってきてマークは写真を撮られてしまう。その写真が事件の目撃者として新聞に掲載されたことでマークは犯人から執拗に狙われてしまうが、どうしても殺人現場で見た何かが心に引っ掛かり続け、ジャンナとともに危険を顧みず事件の真相を追っていく。

この作品はサスペンスなんですが、いきなり冒頭から子供の歌をBGMに殺人が起こる不気味なシーンから始まります。そしてストーリーの鍵となる視覚トリックがある部分に使われていて最後まで見終わった後、必ずもう一度始めから見たくなる作品です。サスペンス要素はもちろんですが、主人公マークと女性新聞記者ジャンナのやり取りや時代背景などもとても面白いですし、度々登場するトリノサンカルロ広場近くのロケーションも美しいけど恐ろしいようななんとも言えない雰囲気がとても好きです。音楽はこちらもGOBLINの曲でメインテーマがこれまた印象的な美しい旋律の曲です。

トリノC.L.N広場

明るいとかなり印象が変わります。Barはセットだったんですね、いつか行ってみたいです。

ストーリー的にはProfondo Rosso、世界観や演出はサスペリアの方が好きなのでどちらも甲乙つけ難いですが、総合的に見ると私はサスペリアのほうが好きです。

この作品で主人公マークに好意を寄せる新聞記者のジャンナを演じたのがダリア・ニコロディで、ダリオ・アルジェントの公私共にわたるパートナーで、サスペリアを企画し脚本も共同執筆していました。当初サスペリアにも出演予定だったそうですが、怪我により冒頭の空港シーンへのカメオ出演のみとなりました。残念なことに2020年に亡くなられています。

サスペリア冒頭空港のシーン。画面向かって右端の赤いスーツがダリア・ニコロディ

 

 

犬神家の一族

言わずと知れたミステリー作家の大御所、横溝正史の同名原作小説を1976年に市川崑監督が映画化した作品です。その後幾度となくドラマになったり2006年には同じ市川崑監督によるセルフリメイクも話題になりましたが(もちろん映画館へ見に行きました)、やはりこの1976年版には到底及ばなかったです。これも初めて見たのは小学生の時にテレビでOAされていた時だと記憶しています。母親とおっかなびっくり見ていた記憶があります。

横溝正史独特の代々続く古い家柄に絡む愛憎劇はただ怖いだけではなく犯人の愛故の悲しみや怒りが描かれていて、その中で緻密に考えられたあっと驚く殺人トリックや古い日本家屋がまた恐怖の演出に拍車をかけて本当に素晴らしく、大好きな作品です。

そして大野雄二さんのテーマ曲「愛のバラード」は名曲です!

横溝正史作品は映像化されたものが数多くありますが、他では悪魔の手毬唄や獄門島なども大好きな作品です。

 

 

<ミッドサマー>

ミッドサマーについては以前の記事で熱く語っておりますのでよろしければご覧下さい。

aoi-luvluv.hatenablog.com

 


<シャイニング>

スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の作品です。このジャック・ニコルソンのポスターはあまりにも有名ですね。

冬の間閉鎖される曰く付きホテルの管理人を任されたトランス一家だったが、息子のダニーはシャイニングという特殊能力を持っていたためホテル内で度々超常現象を目撃する。次第に一家の主であるジャックがホテルに住み着いた悪霊に取り憑かれ最後には家族までもを襲ってしまう。

今ではすっかりホラーアイコンとなった双子ちゃん

好きな理由はサスペリアと似ていて、物語の世界観や演出、オーバールックホテルの内装がとても魅力的なところです。そしてジャック・ニコルソンをはじめ、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイドと役者も素晴らしかったです。母親役のシェリーが恐怖におののく表情は本当に怖かった・・

ホテルの内装がいちいちオシャレでカッコ良い!

ダニーが乗る三輪車のシーンは最高

ただ、原作者のスティーヴン・キングはあまりにも小説と乖離した内容だったため強烈に批判していたらしいです。私は原作は未読なのでよくわかりませんが・・

そしてホテルの内館外観共に、本物ではなくセットだというのにはとても驚きでした。内館はヨセミテ国立公園内にあるマジェスティックヨセミテ・ホテルを参考にしているそうなのですが、本物のホテルだったら一度宿泊してみたかったです。ちなみに参考になったマジェスティックヨセミテ・ホテルは高級でなかなかのお値段だそうで( ˘ω˘ ; )

2019年には続編としてシャイニングの40年後の世界を描いたスティーヴン・キング原作のドクター・スリープが公開されました。

大人になったダンはアルコール中毒によりその能力が抑えられていたが、あることをきっかけにまたシャイニングを使い、超能力を持った子供の生気を吸い取り生きながらえるヴァンパイア集団からひとりの少女を救うために戦い、自分に取り憑いたオーバールックホテルの亡霊を封印しようとする。

色々なジャンルの要素が盛りだくさんでとても面白かったです。こちらもおすすめです。

 

 

シックス・センス

シックス・センスは小児精神科医のマルコムが霊が見える少年コールと交流していくストーリーで、一見ホラーやオカルトのように見えますが実はとてもハートフルなお話です。(と言っても霊の描写ではホラー苦手な方はドッキリしてしまうかもしれませんが)

全体のストーリーはもちろん、霊が見えることを打ち明けられず母親とすれ違っていくコールやラストのあっと驚く結末など本当に良く出来ているストーリーだなと思います。コールと母親の和解のシーンなどは何度見ても泣いてしまいます。゚(´つω•`。)゚。
ホラーなのに泣ける不思議な映画で、ホラー好きな人以外にもとてもおすすめできる作品です。

 

 

エクソシスト

この映画はホラー(オカルト)映画を語る上で外せない作品ですね。

女優のクリスは娘のリーガンとジョージタウンで暮らしていたが、ある日を境にリーガンに異変が起きる。医者で検査をしても何も異常は見つからなかったが、リーガンの異常行動はさらにエスカレートしていき、クリスはリーガンが悪魔に取り憑かれたと確信し、カラス神父に悪魔祓いを依頼する。

私は小学生の時にテレビでOAされていたのを初めて見て(テレビで放送されていたのが今では信じられませんが)恐ろしいながらもそのストーリー展開と演出に釘付けでした。後にディレクターズ・カット版も発売され、スパイダーウォークなども話題になりましたが私はオリジナルのほうが好きです。この作品もテーマソングが美しい旋律でとても印象的です。

 

 

ナイトクローラー

ジェイク・ギレンホールが好きだったので見た作品なのですが、これがもう大当たりでめちゃくちゃ面白かったです。ジャンルは犯罪サスペンスといったところでしょうか。

ケチな窃盗で日々を過ごしていたルイスはたまたま遭遇した交通事故現場で、いち早く到着しその現場を撮影してテレビ局に売り込むフリーランスのカメラマンを目撃する。それに触発されたルイスは自分も安い機材を揃え事件現場を撮影し、ローカル局に売り込みにいく。するとニナというディレクターから評価を受け、もっと映像を持ってくるように言われると次々と現場を撮影していく。貧しい青年を言葉巧みに安い給料で助手として雇い、良い映像を撮るためには非常識な行動も厭わずその行動はどんどんエスカレートしていく。

良い映像を撮るためなら何でもするルイスは最初から最後まで本当にクズっぷりが凄くて良心の欠片も無かったです。それを演じたジェイクがとにかくお見事で、ストーリーが進むにつれて目つきが爛々としてヤバい感じが最高でした。(ジェイクファンは必見です!)

 

 

<ペット・セメタリー>

スティーヴン・キング原作で1989年に映画化されました。括りとしてはオカルトになるのですが、その内容は恐ろしいというより悲しいです。

若い医者であるルイスは田舎町にマイホームを購入し、妻娘息子、愛猫と暮らしていたが、ある日愛猫のチャーチルがトラックに跳ねられて死んでしまう。娘が悲しむと思いルイスはひっそりと家の裏山のさらに奥の丘に埋めた。翌日、なんと死んだはずのチャーチルが家に戻ってくるが、それはとても凶暴になっていて明らかに別の何かになっていた。しかし今度は息子のゲージがトラックに跳ねられて亡くなってしまう。近所に住む老人ジャドはチャーチルを埋めた場所にまつわる忌まわしい事実をルイスに教え、もう絶対に埋めてはいけないと釘を刺すが・・・

愛するが故の悲しい結末・・もしも自分が主人公と同じ立場になったら、と考えるととても切ないです。かなり前に見たきりなので久しぶりに見てみようかな。

私は未見ですが、2020年にリメイクもされています。

 


<ヘレディタリー継承>

この作品はミッドサマーを作ったアリ・アスター監督がミッドサマーの前に撮った作品です。

これもなかなかインパクトのある作品で、まさに最初から最後までオカルト一色なのでエクソシストオーメンなどのオカルト映画好きならとてもおすすめ致します。ただかなりグロい表現も多かったのでその辺苦手な方は要注意です。

 


<セブン>

こちらはサイコサスペンス。キリスト教七つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件とそれを追う刑事の話。なのですが、ラストがね・・もう、何とも本当に救いが無い。主人公ミルズ刑事役のブラッド・ピットの演技が物を言うラストシーンでした。

 

 

一口にホラー映画と言っても心理もの、幽霊、殺人鬼など様々ですが、私はここに挙げたようなオカルト寄りな作品がとても好きです。そういう意味では2000年以降私が好きなホラーはアリ・アスター監督作品一択になってますね・・アスター監督の作品には今後もとても期待しているので新作が待ち遠しいです。

はいからさんが通る

いよいよワタクシの実に25年ぶりとなるタカラヅカ観劇の日(10/20のマチネ)がやってまいりました。

その前に、先ずはファンの聖地でもありますキャトルレーヴ日比谷へ。11時過ぎに到着すると整理券を配布していたので、ランチ後の12時40分のチケットを頂く。

ランチを済ませ、2Fで催されていたステージ衣装コレクションを見に行きました。

ダンオリのお衣裳!!ブルーレイを見たばかりだったのでとても感激・・当たり前ながらはなちゃんのお衣裳ほっそい。。レースも装飾もゴージャスで美しかった・・・

あとはタカスペ2019のお衣裳もありました。

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そんなこんなしている間に時間がやってきましたのでいよいよキャトルへ潜入(誰)

お写真やら雑誌やらグッズやらたくさんありすぎてこれはもうヲタなら財布の紐がガバガバですわ。とはいえ、今回はブルーレイを2枚ほど購入予定だったので、お写真は我慢して(買ったら制御効かなくなりそうなので・・)、MESSIAHとメランコリック・ジゴロのブルーレイ、ポストカード2枚、ダンオリのルサンクとグラフを購入しました。大満足!!

 

そしていよいよ大本番である劇場へ!!!

もちろん劇場が新しくなってから来るのは初めてでドキドキ。チケットは今どきのQRコード。紙チケが無いのは寂しい気もしますが時代の流れには逆らえず。代わりに入り口で出てきたレシートみたいな座席表を記念に取っておくこととします。

入ったらすぐにテーマ曲のピアノ自動演奏が流れていて、すでにウルウル(早い)

座席に着くと(2階の2列目)端ながらとても近い!思っていた以上に近かったので、これはオペラグラス要らなかったかなぁ・・と思いつつ開演を待つことに。

そしてとうとう緞帳が上がり、SNSで良く見ていたはいからさんの文字が!!心の中はテンションMAXで写真撮りまくりでした。

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劇場内に響き渡るれいちゃんの心地よい声・・いよいよ開演です。

オペラグラス要らないなんて思っていたのも、ものの数分。れいちゃん登場とともにガン見でございましたww

本当にこの世のものとは思えない少尉のりりしさを携えた美しさ。はなちゃんは初っ端から元気いっぱいの可愛らしい紅緒ちゃん。そして冒頭から全員登場してのプロローグは圧巻でテンションぶち上がりました。

あきらもマイティーもひとこちゃんもほのかちゃんもくりすちゃんも素敵!!!皆が漫画から飛び出してきたようなそのままのキャラクターで大感激。やっぱりタカラヅカは凄い!

 

シベリアでのコサック兵との戦いでマイティーが歌って、後ろで踊りながら・・というシーンがあったけれど、久しぶりに「あー!!これよ、これ!タカラヅカの戦闘シーンといえばこれよね!」と嬉しくなってしまいました。 

そのあとの少尉は見ているこちらも苦しくなるほど、自分が死にそうなのにも関わらず紅緒を思うその気持ちが痛いほど伝わってきて胸を打たれました・・

 舞台上の人物が本当にその場で生き、感情をぶつけ、感動を呼ぶとともにその気持ちをのせた歌も全部素晴らしかったです。

初観劇で、セリフを聞くのとれいちゃん観るので大忙しで、もう少し心に余裕を持って観たいなぁ・・(無理そうだけど。)

そしてれいちゃんは少尉としての立ち振る舞いが完璧!姿勢とかしなやかさとか、指の先まで神経張りつめてるのが本当に凄い!1秒たりとも気が抜けていないのがとても良く分かります。

 

この日は大正Ver.ズラっと整列した軍服姿の男役は圧巻!!ビシッと揃ったダンスも素晴らしいの一言に尽きました。この群舞はタカラヅカの醍醐味!

最後のブライダルデュエダンはね・・ふたりがもう幸せ溢れていて、やっぱりれいちゃんが娘役さんを愛おしそうに見る眼差しが大好き!!ダンスも完璧!

そういえばおんぶのシーンもだけど、れいちゃんて地球の重力感じてないよね?っていうくらい無重力ダンスだよね・・好き。。

そして最後の大階段、あの羽根を背負ったれいちゃんは眩しかったよ・・銀橋に上手から下手に行って、ステージに向く時の切れの良いターン!お辞儀も心なしか早い気がする・・・やっぱりれいちゃんには重力かかってない??と本気で思う今日この頃。

 

これは皆さんが何度も劇場に足を運びたくなる気持ちが分かります。こんなご時世で元気のなかったエンタメ業界において、僅かに残っていた座席も(通常ならあり得ないけど)いつの間にか完売。チケトレも完売。これは花組の皆さんの努力の賜物だと思います。れいちゃんには堂々と花組のトップであることを誇り、この先の舞台でも輝き続けて欲しいです。(偉そうですみません。)

 

そしてこれはどの組でも、いつの公演でも言えることなんだけれど、この熱量で毎日ほぼ2回公演しているなんて凄すぎてどれほど大変な事なのか凡人にはとても想像がつかない!でも観る人に楽しんでもらいたい、感動してもらいたいという気持ちがこの素晴らしい舞台を作り上げているんだろうな、と久しぶりに観劇して感じました。

 

そして帰ってすぐにチケトレで追いチケしたのは言うまでもありません・・

 

取り留めもなく書いてしまいまとまりが無くなってしまいましたが、これもまた未だ舞台の興奮冷めやらぬということでお許しを・・

 

後日、キャトルに東京公演の舞台写真が出たとのことで、結局買ってしまいました。これはもう完全に恋ですな。致し方ない・・

CASANOVA

スカステでCASANOVA!感想がれいちゃん寄りになってしまいますがご容赦を・・

前トップの明日海りおさん主演。みりおさんもまた存在感と美しさに秀でていらっしゃる。

遊び人の男がこれほど似合う人もなかなか居ないのではというくらいハマってました。

そして愛しのれいちゃんは、なんと敵役!!黒髪長髪に黒マント・・・これがまたかっこいいったらない!!私の好みにドンピシャでございました。そして華麗なマント捌き!マントにブーツ、これで萌えないわけがない!!

この格好で大股でズンズン歩かれた日にゃぁ・・もうね、軽く昇天。

そんでもってれいちゃんのブーツは正義!!少尉もだけど、本当にブーツが良く似合う。宝塚の男役さんは皆さんそうだけどブーツ姿最高ですよね。

 

夫人役がこの時は花組にいらした鳳月杏さん。これまた私の大好きな男役の女性役。黒魔術に傾倒する妖しげな女性を見事に演じていらっしゃいました。

もう二人並んだビジュアルが耽美すぎて最高に萌えた!!ラブシーンしてほしいくらい萌えた・・

 

ストーリーはとてもテンポよく進んで、全く飽きさせることなく最後まで進行していきました。マイティーのコミカルな演技、とっても良かった!カサノヴァのとてもいい相棒でした。酒場の群衆シーンも活気があってとにかくいろんなキャラクターの登場人物がたくさん出てきて本当に楽しい。コンスタンティーノが惚れ薬を飲んでしまったり、コンデュルメルの思うように事が進まずハチャメチャな展開が最後に一つにまとまるところがとても気持ちよかった。もちろんカサノヴァとベアトリーチェもハッピーエンド!

 

コンデュルメル夫婦のすれ違い、本当は寂しかった夫人。毒薬を飲むシーンは切なかった・・・でも最後は二人も元鞘に戻ってめでたしめでたし。悪いこと企んでたけどその能力は認められていたコンデュルメル。ちょっとおちゃめなところもあってとても良い役柄でした。

敵役・・良き。当然のことながらトップになると見れない貴重な役どころですよね。

DANCE OLYMPIA

やはりね。毎日花より男子だけでは物足りなくなってきてしまうのですよ。

いや、花より男子に飽きたとかそういう事ではなくてですね(分かってるw)新しいれいちゃんを見たくなってきますよね?当然。人間だもの。

じゃあブルーレイを買いましょう!!でも迷うんです・・・どれにしようか・・画像検索で魅力的な舞台写真を数々見て、どれもこれも見たくて仕方なかったのですが、たくさんありすぎて選べな~い!(でも最終的にはほぼ全部買ってしまうと思うけどw)

それにしてもまずは1枚に絞らないといけないので、れいちゃんのバイオグラフィーとにらめっこしながら迷いに迷った挙句・・・

そうしたら、ありました!記念すべき私の1枚目に最適な作品が!!

 

そう、タイトルのとおり「DANCE OLYMPIA」です。もうポスタービジュアルだけで鼻血でそうです。大劇場お披露目ではありませんが、トップ就任後最初の公演で、しかもダンスと名が付いている!

れいちゃんの美しくて力強いダンスが大好きなので、1枚目としては最高の選択なんじゃないでしょうか!!

 

いざ鑑賞。1幕目、ギリシア神話の英雄が現代へタイムスリップ。ってもうれいちゃんの美しい彫刻のようなお顔にぴったりな設定。それはもう美しいアキレウスでございました。最初はたどたどしい動きからの華麗なダンス。ストーリー仕立てのダンスショーで楽しい!

そして華ちゃんとのデュエダンはもう言わずもがな。脇を固める安心感抜群のマイティーを始め、ひとこちゃんもほのかちゃんも格好良かった!

 

そして2幕目は和太鼓から!綺麗に揃った動きと迫力満点のパフォーマンス。これは生で見たらすごい迫力だったんだろうなぁ・・そしてれいちゃん・・美しい・・

そのあとのソロの東京の歌みたいなのが粋な感じでとても良かった!!この歌大好き~~!

 

サロメはね・・ひとこちゃんが妖艶で・・・なんで男役の方の女性ってこんなに妖艶なのかしら。昔母に連れて行ってもらった芝居小屋で梅沢富美男さんの女形を見て子供ながらに衝撃を受けたのですが、まさにそんな感じなんですよね。宝塚の男役は男が演じる女を完璧に演じているな、と。男の所作を完璧に自分のものにしているからこそ出る色気なんだろうな。懐かしいところでは初演ミーマイでのかなめさんのジャッキーも良かったし、真琴つばささんのジャッキーも良かった。だから早くれいちゃんのジャッキーも見たい!!!

って話がそれましたが、美花梨乃ちゃんの声も素敵だし、ほのかちゃんの美少年ぶりも良かった・・・

 

マイティーの女性ダンサーも最高でした!ひとこちゃんとはまた一味違った魅力で、体の線がとても美しい・・・腕と背中の筋肉にドキドキ(変態入りました)

動きもキレッキレでかっこよかった!! 

 

 そして圧巻だったのがフラメンコ!!もう本当に凄い・・とにかく綺麗で格好良くて・・・ってこんな陳腐な表現じゃあのダンスは語れないのよぉ~
ソロから始まって、群舞、デュエダンとフルコースで見せてくれたフラメンコはもう本当に圧巻でした!!男役に見守られて踊る娘ちゃんたちが可愛かった。ああいうシチュエーションて萌える~

 

客席に下りて盛り上がるパフォーマンスも良かったです!下りて後方にやってきたれいちゃんのカメラ目線が可愛いくて腰ぬかしそうでした。

 

こんなにいろんな要素が詰まって、何度も見れるなんてお買い得過ぎる!!
まさに私の最初の1枚にふさわしい作品でした。

 

まだ1度しか見ていないので、ちょっと違っている記述もあるかもしれませんがご容赦下さいませ。他に見たいものが多すぎてリピート出来ない~(嬉しい悲鳴)

再び深きタカラヅカの沼へ

今年に入り、何となく思い立ってWOWOWに加入してみました。

映画もドラマも好きだし、良い暇つぶしになるかな~なんて軽い気持ちで。

実際加入してみると、映画はもちろんWOWOWのオリジナルドラマが本当に面白い!スポンサーが無い分、いろいろな忖度が必要なくかなり楽しめます!
他にも舞台やライブなど盛りだくさん。

 

と、WOWOWの回し者ではなくここからが本題。

 タイトルにもあるように「宝塚」です。私は実に30年程前に宝塚にドはまりしておりました。当時は大浦みずきさんが大好きで、真矢みきさんがまだ若手の頃でした。今も専科でご活躍中の轟悠さんも若手の頃ですね。

花組を中心に他の組も色々観ながら、最後に観劇したのは、1995年の天海祐希さん退団公演であった「ミー・アンド・マイガール」でした。

その後は観に行くまではいかずともなんとなく心の片隅にはいつも宝塚がありました。最近の沸騰ワードも楽しかったです。

 

そしてWOWOWでも宝塚の舞台がたまに放送されていたので、懐かしいな~また見てみようかな・・なんて思いながらも気づけば半年以上。

そんな時、ふと番組表を見たら、花組公演「花より男子」とありました。なんと!花より男子が宝塚によって舞台化されているとは!「少女漫画×宝塚」これほど相性が良い組み合わせはないので、きっと面白いに違いない!しかも昔好きだった花組!これは見るしかない!と。

この時はまだ、懐かしい宝塚をもう一度体感したい、なんてかる~い気持ちでした。

まさか再びこんな深い沼におちてしまうとは思いもよらず。

 

1度目。

道明寺司めっちゃハマってる!そして花沢類の方、儚げで凄く美しい。美作くんも良い雰囲気出ているし、やはり宝塚の方々は素晴らしい。西門くん役の方が若手なのかな?と思いつつも長身でスタイル抜群で格好いい!

つくしも元気で真央ちゃんを彷彿とさせるなぁ。話も短時間の中で上手くまとまっているし、これはもう一度見よう!

類役の聖乃あすかさんについてネットで少し調べつつ、これは・・ちょっとハマりそう?かも?と・・

 

2度目。

道明寺役の方は柚香光さんというのね。現在花組のトップと。ダンスがめちゃくちゃ上手いじゃん!!さすが花組。変わらない伝統ね。(ダンス上手に弱い)

そして演技も上手い。つくしちゃんに対する視線の使い方にちょっと胸キュン💕

↑この辺りから風向き変わる😂

細かく言うと、1幕最後の生徒たちのダンスシーン冒頭で両手を差し出しながらつくしを見る視線に初キュンしました( ´艸`)

そしてデュエダン、やっぱりダンス上手い!!手足が長いからとっても舞台映えして指の先までしなやか~!

 

3度目。

どんどん胸キュンシーンが増える( ´艸`)💕

特に最後の空港のシーン、つくしとチューの直前のあのお顔。。

そして3度目にしてとうとう気付いてしまったのです。デュエダンで色気全開の柚香光に・・・

あんなにも優しげにお相手を見つめるその表情にあえなく陥落いたしました。最後のハグもこう、愛おしげにぎゅっと・・そしてそこからデュエダン鬼リピ。

 

その後はもうそれはものすいごい勢いで底なし沼へズブズブと・・・

まずネットで「柚香光」を検索しまくる。そして素顔も美しくて格好いいれいちゃんにますます熱は高まり・・・

 

順当にTwitterの専用アカウントを作り、友の会へ入会し、「はいからさんが通る」のブルーレイを予約し、「DANCE OLYMPIA」を買い、はいからさんのチケットを取り、スカイステージを契約・・・・

はい、ここまでたったの4日間。この深き宝塚の沼・・恐るべし。そしてれいちゃん・・・恐ろしい子・・(月影先生風)

何がそうさせるのかって、30年前と比べて大人な分、かけられるお金が違うので本当に始末に負えない。でも声を大にして言いたい!楽しくて幸せならいいんです!!

 

そして先日、はいからさんを観劇しましたがそれはもう・・夢の世界で、花組の魅力あふれる面々に心ゆくまで楽しませて頂きました。その感想は改めて別記事にて書かせて頂きます。

れいちゃんをトップに、華優希さん、瀬戸かずやさん、水美舞斗さん、永久輝せあさん、聖乃あすかさん、音くり寿さん・・・まだまだたくさん魅力的な組子さんがいらっしゃいますが、娘役は可愛くて可憐で、男役はイケメン揃い!!

これから色々過去作含めて観るのがとっても楽しみです~!!!

 

めでたくれいちゃん沼におちた人のアカウントはこちら @aoi_luv1123 

そして宝塚ファンの方々が皆さんあたたかくて、ここは本当にTwitterの世界なの??ってなりました。

 

私の中で宝塚はもう懐かしいものではなくなり、今を生きるものになりました。

またこの夢の世界に戻ってくるきっかけをくれた柚香光さんに心から感謝です。この先のこれからの素敵なれいちゃんをたくさん見せて下さい。

 

そしてトップお披露目という大切な瞬間に立ち会えた事が本当に嬉しいです。

 

 

MIDSOMMAR ミッドサマー感想(備忘録)

MIDSOMMAR ミッドサマー

2019年7月3日 アメリカ公開 2020年2月21日 日本公開

 監督:アリ・アスター

 

以下の感想にはラストまでのネタバレが含まれます。

 

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まず映画を見終わった直後の率直な感想は、気分爽快!!

最後は洗脳されてしまったダニーの運命がどうなっていくのかを考えると手放しでは喜べない部分もあるけれど、とりあえず映画終了直後の感想としては謎もほぼ無くスッキリとした気持ちになりました。

そしてその後じわりじわりと色々な事が気にかかり、考え始めたらもう止まらない!
自分なりの考察や感想を書きつつ、ネットで情報収集していくうちに気づけばミッドサマーの世界観にどっぷりと浸かってしまいました。

 

1人の女性の絶望、孤独を経てからの再生という主題を、まさかのカルトホラー(監督曰くフォークホラー)と融合させ、かつ緻密な伏線を張り巡らせ最後は見事にそれらを全て回収して多幸感に包まれて終る。アリ・アスター監督最高すぎ。

監督は変態のためのオズの魔法使いとか、現代のおとぎ話と言っていたけれどそれに関わるいろいろな小道具も仕込まれていたので何度でも見返したくなります。

女性目線からしても、ダニーの心理描写とかクリスチャンに対する執着とか本当に男性が描いたのかと思う程リアルでした。

 

物語の進行としては、ダニーたちがペレに連れられホルガに着いた瞬間「これ、まさに生贄要員ですよね?」と観客はすぐに若者たちの行く末が分かってしまいます。そして結末が何となく予想出来てしまっているにも関わらず、最後まで引き付けて離さない物語の進行と演出は素晴らしいの一言に尽きます。

全体に流れるBGMや効果音も明るい風景とは裏腹に不安を掻き立てる素晴らしい演出のひとつでした。まさに明るいけど怖い、いや明るいからこそ怖いというホラーの常識を覆す看板に偽りなしの作品になっています。

 

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最初の大きな儀式であるアッテストゥパン。最初何が始まるのか全く分からないまま進行していきますが、食事を終えた老人二人が椅子に座ったまま運ばれ始めると「あ~もうこれアカンやつ。」とうっすら恐怖を感じ始めます。

(2回目見直して気づいたことは、イルヴァの表情がとても硬く緊張しているのが分かります。儀式として納得はしていてもやはり怖いのかな・・。最後は覚悟を決めたようにも見えましたが・・)

そして崖の上に運ばれたところからすでにこれから起こるであろう事が予測され、不穏な空気が漂いまくって、真っ白な風景と民族衣装に身を包んだ人々との対比がただただ恐ろしかったです。

でも、まさか本当にそんなことはしないよね?フリだけだよね?という気持ちもギリギリまで持たせつつ(私は少なからず持っていました)、結局飛び降りてしまうという衝撃的な儀式でした。

アスター監督は今村昌平監督の「神々の深き欲望」「楢山節考」からインスピレーションを受けた。)

2回目じっくり見てみると、飛び降りに至るまでのダニー、クリスチャン、ジョシュのそれぞれの表情の違いもまた良かったです。ダニーとクリスチャンは恐らく映画を観ている私たちと同じような気持ちで、ジョシュは研究をしていてある程度の知識があるので恐怖心よりも好奇心が勝っているように見えました。

このアッテストゥパンは72歳になると必ず行われる儀式のようなので、特に90年に1度の祝祭だったからという訳ではなく、毎年もしくはもっと頻繁に行われているものなのかな、と思いました。実際割と新しそうな石碑もたくさんありましたね。

このアッテストゥパン辺りからやっぱり普通じゃないな、という展開になっていくのですがホラー映画特有のビックリ演出はほぼ無く、観るものにこの先の展開をじわじわと予想させつつ恐怖心を煽っていくスタイルはまさに名作にふさわしいと思いました。

 

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この後、ディレクターズカット版に入っているシーンで、川に捧げものをするシーンがあるのですが、ここでひとりの子供が生贄に志願すると、それを受け入れた大人が何のためらいもなく当然のようにその子供に足かせをつけ重しを持たせて、川へ投げ入れようとする場面が出てきます。(黙々と作業する村人が空恐ろしい)

居ても立っても居られなくなったダニーが止めに入るのですが、実は村の人がギリギリで止めるというところまでが一連の儀式になっていました。

アッテストゥパンではフリだけだろうと思っていたのが、実際飛び降りてしまったので、ここでもきっと川に投げ入れられてしまうんだろうという観客の不安を煽りまくって、最後の最後でやっぱりフリだけでした。という演出で、これは本当に監督にしてやられた!という感じでした。(結局のところコニーがその生贄になってしまうのですが。。。)

と同時に見事な演出だったのにカットされてしまって惜しいな、という気持ちにもなり、これから見ようという人には必ずディレクターズカット版を推薦しようと思いました。

このエピソードの他にもダニーとクリスチャンの関係性、クリスチャンとジョシュの関係性などがより深く分かるシーンがありますのでディレクターズカット版は必携ですね。

 

そして予想通り、外から来た人々は生贄として次々殺されてしまい、残ったダニーはメイクイーンに選ばれ、クリスチャンは外部の血としてマヤと半ば強制的に性交をさせられます。

ダニーに密かな想いを寄せていたと思われるペレは、恐らくダニーが参加すると決まった時点で彼女をメイクイーンにさせてかつ邪魔者は消し、ダニーの心を救済し自分と結婚するという筋書きを思い描いていだのだと思います。そしてその想いを知ったホルガの人々が協力してダニーをメイクイーンに祀り上げたのではないでしょうか。もしくは、メイクイーン自体が代々外の人間がなっているのかもしれません。

(そもそもダニーの家族の不幸もペレとホルガの人々が関係していると考察されている方もいました。恐ろしいことにそれもまた辻褄が合ってしまいそう・・)

邪魔者のクリスチャンに関しても、村に来る前に妹であるマヤに写真を見せたというシーンがあったので、それも作戦のうちだったのでしょうね。

そしてペレの思惑通り、マヤと儀式をしているクリスチャンをのぞき見してしまったダニーは悲しみに暮れ、クリスチャンとの決別を決めました。

 

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メイクイーンの花のドレスを着たダニー(完全に小林幸子w)が生贄を選ぶシーンでの表情がとても素晴らしく、解放されたいという思いと、失う悲しみとがせめぎ合っているのが表情だけでとても良く伝わってきました。

結局クリスチャンが生贄として選ばれ、熊の皮を着せられて他の生贄とともに火あぶりにされたけれど、熊のせいなのか滑稽で悲惨さはあまり感じませんでした。この怖さと滑稽さの対比もとても絶妙でした。

しかし、生きながらに焼かれていったホルガの生贄2人は、最初こそ英雄なんだという誇りに満ち溢れていたけれど、足元に火が点き痛みと苦しみに襲われたときに初めて、痛みが無くなると嘘の薬を飲まされたと分かり、今際の際で自分たちが信じていたもの全てが間違っていたことに気づいてしまうというのが何ともやりきれないです。

そして最後のほほ笑み。これこそが最高のラストシーンでした。映画史上に残る名シーンだと思います。

 

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この村に来て村人に受け入れられ、救われたと思っているダニーがメイクイーンとしてこれからどんな運命を辿っていくのか、本当に幸せになれるのか・・色々と妄想は尽きないです。 

ハッピーエンドだけどそうじゃない、鑑賞後の爽快感からのモヤモヤ。いくつかのインタビューを読むと監督が言っていた言葉に

「いい気分なのに、なぜかしっくりこないような。体内が清められたはずなのに、何か新しい病気が潜んでる……みたいな気持ちになってもらえたらうれしいですよね。」

「脚本はエンディングのアイデアに向かって書きました。この映画はお別れや失恋の映画という位置づけなのですが、最後どうやったらカタルシスが得られるかを考えました。しかし少し時間がたつと、ドロドロが渦巻いて『本当にこれでいいのか』という気持ちになるように作りました」

まさにこんな感じで監督の思うつぼでした。

「私は、自分が感じた別れのインパクトに合ったスケールの映画を作りたく思いました。そのため本作は大惨事の失恋映画となりました。」

大参事も大参事・・監督、よっぽど辛い失恋体験だったのでしょう。

 

『祝祭、ぶっちゃけ90年に1度じゃないよね?』

90年に1度の祝祭と言われていますが、本当に90年毎ならば皆が人生のうちに1度経験するかしないかくらいのイベントであるにも関わらず、自ら進んで命を差し出すほどのポテンシャルは普通保てないし、何より皆さんの色々な準備や熊捌き等なんと手際の良い事(笑)

なんと言っても、ペレの両親が焼き殺された、と言っていたのを思うとやはりこの祝祭は90年ではなくもう少し短いスパンで行われているのではないかと。

なので外部から人を呼ぶために、90年に1度という、今見に行かないと絶対に損だよ!的な売り文句にしているのではと解釈しています。

・小屋焼き儀式 十数年ごと(ペレの両親が焼死している)

・アッテストゥパン 毎年(新しい石碑がたくさんあった)

・性交の儀式 毎年(赤ちゃんがいた)

・メイクイーン選出 毎年か数年ごと(メイクイーンの写真が結構飾ってあった)

この4つが今回ちょうど重なったのではないかと思います。

 

映像表現について

グロいシーンに関しては私の中ではさほどグロくはなく、普通に鑑賞できるレベルでした。(視覚的なグロはそれほどでもない)

ただひとつだけ、マヤがクリスチャンに対して飲み物に自分の経血を入れ、それをさりげなく飲ませるというシーンだけはちょっと・・という感じでした。

しかし、それをもってしても余りある程、その他の映像美や演出が素晴らしかったのでそれほど気にはしていません。

エロ部分に関しては、もはやエロというよりも私の中ではギャグに近かったです(笑)

 

最後に

監督はもちろん、ダニー役のフローレンス・ピューがとても素晴らしかったです。観る前はただのカルトホラーだと思っていましたが、いい意味で見事に裏切られ、これほど一人で観たのを後悔することになるとは思いませんでした。(なのでここで思いの丈をぶちまけました)

そして映像、音響、セット、小道具・・・どれをとっても間違いなく最高の作品です。

 

色々と取り留めもなく書いてしまいましたが、総括しますと「ミッドサマー」は最高に面白い!アリ・アスター監督天才!次回作にも期待しています。

 

伏線回収とか、ルーン文字、神話をからめた考察などは他の方々の素晴らしいブログ等もたくさんあります。いろいろな角度で様々な考察を読むのはとても楽しいので、そちらでもっともっと深く楽しみたいです。

 

追記(2回目以降で気づいたこと)

最初のメイポール、円の中のルーン文字には草花がついていないようにみえますが、何か意味があるのでしょうか・・

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この座っている順番も意味深ですね。ペレを中心に、向かって左の4人は生贄、右2人は新しい血。(クリスチャンも最終的には生贄ですが・・)

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